家を建てるための土地探しのコツ。

家を建てたいなぁ。
そう思ってからまず始めに思いつくのは、土地を所有していなければ土地を探さなきゃ。となります。
そして不動産情報が集約されているホームページだったり、近くの不動産屋さんだったりを訪れて「家を建てたいので土地を探しています」とお店のドアを開けるのが一般的かもしれません。
はたまた、漠然と家を建てたいから住宅メーカーの展示場などへ訪れると、対応してくれる担当営業者が希望のエリアにある土地を紹介してくれることもあります。

でもちょっと待っていただきたい。
実は不動産屋さんや住宅メーカーが価値のあると思う土地と、実際に家づくりにあたる設計者、工務店が価値ある土地と考えることには大きな価値観の違いがあります。

単純な不動産の価値というのは、エリアや道路の幅、駅が近い、インフラ設備が整っている、整形など、比較的売りやすく買い手も簡単に見つかりそうな土地が、人気とか、価値ある、今ですよ。感たっぷりな感じが、不動産屋さんにとっての価値ある土地であると思います。
不動産屋さんは不動産手数料で商売をしているので、価格が高ければ高いほど利益は増え、価格が下がりにくいうまみたっぷりな土地ほどいいのです。
住宅営業マンも同様、流動性が高く、規制プランを簡単に置くことができれば難しくなく早く仕事ができるということで、価値が高い土地であるでしょう。
もちろん経済性を考えたら一番出し、買い手もわかりやすくお求めやすい。

もしあなたが家づくりに興味があり、家づくりや暮らしにいろいろな可能性を求めたいのであれば、設計を得意としている工務店にも目を向けると、土地探しの段階でより充実した家づくりを送ることができると思います。
設計に力を入れている工務店であれば、不動産屋さんや住宅メーカーが見向きもしない、売りにくい、価値なしとみる土地が、設計者としてはとても魅力的な価値あり土地として違った価値観で見ている時があるのです。
それは俗にいう「ヘタ地」と言われる不整形や敷地条件が厳しい、不動産価格として低価格な物件に多く見られます。
そしてそれらをなぜ設計者は価値ありとみるかというと、土地に資金をたくさん取られることなく、建物に資金をかけられる割合が増えるから。
そして、建物に建てられる資金が増えたぶん、あんなことができる、こんなこともできるとたくさんの暮らしの提案や、心地よい空間づくりに腕をふるうことができるようになるからです。
だから設計者はヘタ地のような価格が下がりやすい土地に、頭を使って設計を組み立て、家づくりをしていきます。
f0325671_14473193.jpg
写真はケヤキ下の家の敷地状況を象徴した画です。
北側に公園があり、公園内に大きなケヤキがあり、静かで緑豊かな環境、さらに整形で80坪ほどある敷地。
これは不動産屋さんから見ても、設計者から見ても価値ある土地と一見そうなる。
しかしこの場所は長い年月が経った昔の住宅地であったのに、家が建った形跡はなく、ずっと畑として利用されていた場所。
住宅地を造った場合、一番最初に売れそうな立地の土地なのに。
それでもずっと建物が建つことがなかったのには理由があります。
それは写真左に立つ電力会社の鉄塔。
この鉄塔の高架線が敷地内を通っているために、地役権という自分の土地なのに建物を建てる権利を抑えられている縛りが付いていて、敷地を斜めにおよそ半分に分断されているのです。
その難しい条件が付いているためになかなか土地の買い手もなく、畑と利用されていた土地でした。

オーナーさんも土地候補としては、売りに出ているからという理由で候補に入れて最後方での順位として見せられた土地。
まずは家が建つのかどうか?という疑問さえもあった土地。
そんな相談を受けながら土地探しのアドバイスを一緒にしていたのですが、周辺環境、敷地サイズ、建物サイズを読み取り、十分家づくりは成り立つし、楽しい暮らしができそうだと、候補の中ではダントツ魅力的な土地である。と伝え、土地を手に入れることになりました。
そしてこの土地の価格は、周辺価格よりも大幅に安い価格でもあったのです。

その結果がケヤキや公園に大きく開いた開放的な住まいを手に入れることになります。
さらに断熱性能をランクアップさせてトリプルガラスを使ったり、内装材にはヴィーナスコートという卵の殻を使った自然素材の塗装仕上げとしたり、暮らしに関わる家づくりにプラスの方向へ向けることができました。

家づくりと土地探しは資金のこと、設計のことでも密接に関わります。
家を建てたいと思ったら、土地を探すのではなく家を建てるところを探す方がメリットは多くあると思います。
まだ土地がないから相談に行きにくい。
そう思わなくてもいいのです。
土地の前に家づくりのパートナーを探しを最優先することを強く勧めます。

もちろん、暮らしの工房でもいつでも相談に応じますので、お気軽にご相談ください。


そんな土地探しのストーリーがあるケヤキ下の家は仕上げ段階に入り、いよいよ完成も少し見えてきました。
見学会を9月9日(土)、10日(日)を予定しています。
詳細はまだ計画中ですが、とりあえず日にちだけご報告。
毎度のことながら、見学会は予約制とさせていただいています。
実際に暮らす人数に近い状態で、住まいをゆっくり見学していただきたいからです。
まだ、色々と詰めなければならないことが多いのでオープンで情報を出せませんが、前もって詳細情報が欲しいという方はお問い合わせいただければ応じさせていただきます。
よろしくお願いいたします。



# by kurashi-no-kobo | 2017-07-25 14:46 | 家づくり教室 | Comments(0)

続いていく庭とひとつ屋根の2世帯住宅。

生まれ育った家を建て直して2世帯の住まいをつくることになったオーナーさん。前の家とともにお父さんが手を入れ植えてきた庭木は、新しく始まる住まいでも脈々と続いていくところから住まいを計画。植えた当初は小さかった30年前のヤマモミジは、造園屋さんの手によって丁寧に移され、大きく育った栗の木が時間の経過をつないでくれる。それぞれメインとなる庭木を絶好のポイントとしてとらえ、暮らしのエッセンスとしました。
続いていくことと新しく始まることが、シンクロするような住まいです。
子供のころに屋根の上で過ごした出来事や、遠く見える山の稜線を眺めながら過ごしていた日々。
そんな日々を新しい住まいでも継承するように、栗の木の下に伸びる月見台やソファ、ダイニングに座りながら視線の先が山の稜線に向うように居場所や窓の位置を整えた計画。
生活を分離した2世帯の住まいでも、それぞれが気配を感じながら、お互いの邪魔をしない程度につながりを感じらるように計画した2世帯住宅です。
f0325671_17284421.jpg
1階を親世帯、2階をオーナーさん家族世帯とした計画。2階の世帯からご紹介。
2階の特徴を生かして屋根なりに空間がつくられる包まれるようなLDK。ひとつ屋根の家のコンセプトを具現化した空間。
f0325671_17301081.jpg
タタミリビングからダイニングをみる。
大きな空間と包容力をもつ空間の下、気持ちよく食事ができるように計画。
f0325671_17334748.jpg
タタミリビングは大きなソファを添えて。
窓際の気持ちの良いスペースからは、敷地内の栗の木を鳥目線で見れたり、借景を存分に取り入れている。
f0325671_17364711.jpg
ダイニングは借景が望めるコーナーに窓を配置。
竣工時は冬季のため緑が感じにくかったけど、季節によっては気持ちよく緑を感じる暮らしができる。
その様子はメンテナンス時の記事を。
f0325671_17391075.jpg
急勾配な寄棟形状の屋根をそのまま空間に表している。
f0325671_17401170.jpg
屋根勾配の天井空間。
f0325671_17413116.jpg
2階の平屋といった感覚で、ひと空間の中にLDKやプライベート空間などが配置されている。
屋根なりに上がった天井はロフト空間へと繋がる。
ひとつ屋根の大きな空間を余すことなく繋げている。
f0325671_17433133.jpg
デスクコーナー。デスクと一体化して階段が設けられている。
f0325671_15590895.jpg
ロフトへ上がると階段上部に設けられた天窓がある。
天窓はロフトへの光を落としたり、階段を通して1階から2階、ロフト、天窓へと空気が抜ける重力換気(暖かい空気は上昇する原理を利用した痛風)のため。
f0325671_17204478.jpg
LDKと繋がるロフトはちょっとした居心地のいい居場所となる。
工事中、現場で一杯飲みたいとのお誘いを受け、オーナーさんと一緒にこのロフトでビールを飲んだ時の気持ち良さは格別。
f0325671_17223680.jpg
ロフトからLDK(ダイニング方向)を見下ろす。
上部との空間の繋がりは楽しい気持ちにさせる。
f0325671_17240694.jpg
リビング方向への見下ろし。
屋根の上へ突き出した月見台とソファがつながり、ソトのつながりを意識した居場所になっている。
f0325671_17181102.jpg
ロフト奥は子供部屋として使用できる空間になっている。
各部屋へつなぐというよりは、小屋裏のような空間で、一時的な子供部屋として利用すると楽しい空間になる。
f0325671_17254066.jpg
階段がオーナー家族世帯の玄関的な役割。
中心を通る廊下がLDK、個室、水回りへとアクセルするコンパクトな計画。
f0325671_17270556.jpg
寝室も屋根なりの天井で。
目覚めた時の心地よさを追求。
f0325671_17291377.jpg
一度外へ。
火山灰を使用したそとん壁と呼ばれる塗り壁を外壁に使用。
寄棟と言われるシンプルなひとつ屋根の外観で、ひっそりと綺麗な佇まいに。
周囲の建物よりもグッと抑えた佇まいにすることで、以前の住まいから続く庭をそのまま残して計画。
建て替えをしたけど、その場から続いていくものを大切にした。
f0325671_17295964.jpg
アプローチは庭を再編。
庭先に置いてあった浅間石や安田石を再利用。
アプローチにはヤマボウシを新たに設け、上向きに咲く可愛らしい花を2階の寝室から望めるように。
f0325671_17310709.jpg
玄関周り。
標準の外収納が隣に。
2世帯住宅だけど玄関ドアはひとつで計画。
玄関を中心に各世帯へ別れる計画をした。
f0325671_17282097.jpg
玄関は土間を介してそれぞれ各世帯の入り口へ。
正面奥は親世帯の空間へと続く。
f0325671_17322592.jpg
玄関の役割として、親世帯、オーナー世帯をつなぐ役割を設けた。
f0325671_17332384.jpg
ワークスペース、デスクスペースを設けて、3世代が共有するスペースに。
各世代の関わりを強くもつスペースを設けることが2世帯住宅の在り方のひとつ。
キッチンの裏動線と繋がる。
f0325671_17343310.jpg
親世帯はひと空間の中に家具や動線の整理で暮らし空間を作っている。
f0325671_17365761.jpg
リビング、奥に寝室とコンパクトな設計。
f0325671_17354876.jpg
リビングとダイニングは家具間仕切りによって空間を意識的に分けている。
f0325671_17382607.jpg
リビングからは縁側を介して庭につながる。
f0325671_11142901.jpg
ダイニングは2人がゆったりとできるスペース。
窓からは続いていく庭が眺められる。
f0325671_11160313.jpg
ダイニングとキッチンの関係。
キッチンの奥へは玄関、ワークスペースとつながる裏動線。
コンパクトながら回遊動線を設けて、暮らしやすい設計に。
f0325671_11165421.jpg
寝室はタタミ和室。
f0325671_11192241.jpg
外観を裏側から望む。
親世帯の寝室だけ、下屋で出して生活リズムの変化に対応。
下屋の上に2階の月見台を設けた。
f0325671_11174611.jpg
月見台は、建て替え前の育ってきた家で、「子供の頃に屋根の上に上がって風景を眺めていいた。」という会話の中から着想した。
月見台に上がると住宅地の中のひらけた一部に向かって大きく開く。
月見台を使ったオーナーさんの暮らしぶりはこちらを参照。
f0325671_11180845.jpg
続いていく庭とひとつ屋根の2世帯住宅では、「今まで育ってきた庭を残す。」と提案。
一本もなくすことなく、敷地の記憶の継承を象徴するものとして残した。
建物際に30年前にお父さんが植えたヤマモミジも長い年月と共に大きく育った。
ヤマモミジ際を丁寧に解体して、1階のダイニングと2階のリビングの窓の位置に移設。
ソトから両世帯をつなぐ象徴とした。
住宅を新しくする際に庭を諦めたご両親だったが、「庭を残す」というコンセプトに共感していただき、続いていく庭とひとつ屋根の下2世帯が暮らすというのが、この住まいの最大の特徴となった。


暮らしの工房 岡沢公成
住所:〒942‐0082 新潟県上越市国府3-6-35まほろば館Ⅱ-A
TEL:025‐512‐7546 FAX:025‐512‐4182
Mail:kurashiko@kurashinokobo.com

# by kurashi-no-kobo | 2017-07-23 14:28 |  ひとつ屋根の2世帯住宅 | Comments(0)

キッチンタイル。

ケヤキ下の家はキッチンタイル。
タイルは数年前に定番で使っていたモノが廃番となってから、まだまだ迷走中。
オーナーさんとどんなタイプがいいか話しながら提案しています。
あの廃番になったタイルがいまでも忘れられません。笑
f0325671_14504139.jpg

迷走中の中、いろいろなところでヒントを得て、
「こんなのどうですか?」
って提案している現状。
今回のタイルのネタ元は…
f0325671_14504107.jpg

富山県美術館のトイレのタイル。
横ボーダータイルも良かったけど、縦ボーダーもいいじゃない。
ということで、今回提案して採用。

まぁ、タイルの役割はキッチンの水跳ねや汚れから壁を守る、清潔に保つ役割なので、それさえ出来ればなんでもいいのですが。
空間とのバランスもあり、キレイに壁が、空間が見えた方がいいに決まっているので、暮らしの工房の住まいにバランスがいいタイルをご提案させていただいています。

# by kurashi-no-kobo | 2017-07-22 14:41 | げんば | Comments(2)

上越風景採集。1

たまに上越の風景的な素材的な、何か建築に役立ちそうな場面に出くわすと写真に撮っていて、気が向いたらブログにあげていたので、シリーズ化を考えてみる。
手当たりしだいにしてしまうと収集がつかなくなるので、身近な上越市内での採集限定にしてみよう。

まずは最近気になったこの写真。
f0325671_15044205.jpg

ただのコンクリートブロック塀。
下部分が微妙にずれて穴を空けている。
隣の景色が見え隠れしたり、風が通ったり、もしかしたら猫が通ったり、家にあったら犬が顔を出すかも。
沖縄の花ブロックのような…ふつうのブロック。
素っ気なさと愛嬌がなんとも気になる存在にしてくれました。
境界を決めるのがブロック塀の役割としたら、拒絶する境界ではなく、お互い共有する境界というのは、優しくなんとも清々しい気持ちになります。
何かで使える手はないか…

採取地:直江津
# by kurashi-no-kobo | 2017-07-21 14:47 | 上越風景採集 | Comments(0)

事務所ごはん。ホットサンド。

今日のお昼は事務所ごはん。
ホットサンドクッカーを買ってからというもの、手軽に家で楽しんでいます。
今日は使わなければならない食パンがあったので、クッカーを持参。
コーヒー豆が切れているからセブンのコーヒーで。
ついでに揚げどりも買って、トマトと一緒に挟む。
とりあえずなんでも入れて挟んで火を入れれば美味しくなる。
アウトドアはほぼしないけど、アウトドア料理は楽しい。
f0325671_13255742.jpg

ソトメシを勧めているけど、ソト料理をナカで食べるのもなかなか楽しい。
もはやなんだかよくわからないけど、ジャンルをまたぐ境界線上が楽しいと思います。

ホットサンドクッカーは、スノーピークのトラメジーノ。
若干他の商品と比較すると高かったけど、出来上がりにロゴマークができないことと、一番コンパクトに収納できることでこれに決めた。
デザイン的によく考えられているので、とても気に入っています。
さまざまな視点で見習うところが多いです。
f0325671_13255878.jpg



# by kurashi-no-kobo | 2017-07-20 13:09 | キッチンワーク | Comments(0)


新潟県上越市で住まいをつくる暮らしの工房の、家づくり、暮らしづくりのあれこれや日常の記録


by 暮らしの工房 

プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

全体
会社概要
住まいづくりの約束事
家づくり教室
イベント
仕事の風景
げんば
日常
オーナーさんの暮らしぶり
施工例(新築・リノベ)
 ひとつ屋根の2世帯住宅
 雑木にひらく焼杉の住まい
 稜線を望む住まい
 つなげあう高原の住まい
 つながる住まい
 ソトとナカをつなぐ住まい
 新旧馴染み合う家
 ゆっくり暮らす家
 のびやかに暮らす家
 心地よい居場所のある家
上越風景採集
キッチンワーク
おでかけ
たべもの
モノコト

最新の記事

家を建てるための土地探しのコツ。
at 2017-07-25 14:46
続いていく庭とひとつ屋根の2..
at 2017-07-23 14:28
キッチンタイル。
at 2017-07-22 14:41
上越風景採集。1
at 2017-07-21 14:47
事務所ごはん。ホットサンド。
at 2017-07-20 13:09

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月

記事ランキング

最新のコメント

キッチンパネルも悪くわな..
by kurashi-no-kobo at 14:38
タイル大好きで出来るだけ..
by nayacafe-2950 at 09:05
タンタンタン♫が伝わった..
by kurashi-no-kobo at 06:44
イイですね~。タンタンタ..
by nayacafe-2950 at 20:20
最高な時間を過ごさせてい..
by kurashi-no-kobo at 18:56
最高!!!大正解ですね。..
by nayacafe-2950 at 16:28
ありがとうございます。 ..
by kurashi-no-kobo at 08:12
空間の把握、大事ですよね..
by nayacafe-2950 at 22:25
なかなか新しいことを始め..
by kurashi-no-kobo at 12:13
ありがとうございます。ス..
by kurashi-no-kobo at 12:11

画像一覧

ブログジャンル

建築・プロダクト
北陸