リノベーションのお話しを聞く週末。
先週末の動きを。
と言うとほとんどの人は、「お前の動向なんて興味ねぇよ。笑」って感じだと思うのですが、「こんな動きをしたよ」と言いたいわけではないのでご勘弁を。
金曜日の夜は、高田世界館で開催された善光寺門前周辺のエリアリノベーションのお話を聞きに、興味のあるオーナーさんと一緒に参加してきました。
善光寺門前のリノベエリアはよく行くので、その動きを聞くことも興味がありました。
全国各地で起こり始めているし、それら手法を学び実践する取り組みとして「リノベーションスクール」という取り組みが2015年建築学会賞を受賞しています。
善光寺周辺とリノベーションスクールは直接関連性はないと思いますが、こういったことが近年、全国各地で起こり、ストック型社会の構築へ向かっています。
ビジネス的要素が絡んでいるので、まちづくりと言っても民間主導で、ニーズに合わせられる自然な流れのまちづくりであると思っていますし、とても興味のある内容です。
私自身でも、機会があれば事務所をそういった場所に移したいと常々思い、狙っています。
上越市の場合、行政主導が強く、高田の雁木だけがフューチャーされ、そこらを中心に観光地化しようとしているのが見て取れますが、正直、私自身住まいは直江津だから、わざわざ事務所を高田に持っていく必要もないし、そもそも観光地化ではなく実務としてストック型社会の構築を目指したいと思っています。
だから実益さえあれば場所はどこでもよく、時間の経過、時間の価値を大事にした工務店業というのが一つの仕事の目的です。
そういう考えは、新築の家づくりでも常にあるし、そういう理念の元、実践していることはオーナーさんたちには理解していただけていると思っています。
ということで、想いを共有するオーナーさんと共にお話を聴いてきました。
その後、直江津にてオーナーさんと懇親。
直江津の現状を調査、会話しながら、カウンターで隣のお客さんにも聞き取り調査(笑)
これで少し設計力が上がります。
そんな楽しい金曜日の夜を過ごした翌日は、いろいろと詰め込んでしまった土曜日。
朝一、5年ほど前に設計、現場を担当したお宅に頼まれていたハニカムスクリーンとタオルバーの取付。
一人で乗り込んだら「岡沢さん付けるの?」って驚かれたけど、簡単なものなら私がやります。
アメニティーショップアイさんで打ち合わせ。
夕方、妙高高原へ行く予定だったので、どうせそこまで行くなら長野市までついでに行っちゃえと車を走らせ。
アイさんでは、実のある打ち合わせも出来ました。
せっかく長野まで来たし、前日聴いた善光寺門前周辺へ。
イヤ、ただ先日買うことの出来なかったシフォンケーキを買いに行っただけですが…
超フワフワな上、過度な甘みがなく、素材の香りが楽しめるシフォンケーキ。
ここのシフォンケーキが今までで一番好き。
このお店も空き家のリノベ物件。
事業をやるには過度な初期投資は危険。
そういった意味で、空き家利用は最善の方法だと思うし、大事なのはおしゃれな内装ではなく、提供されるコンテンツ。そして持続性。
リノベーション物件なら、全てキレイにせず、時間とストーリーが建物全体から感じられる方が、今の人の価値観にも合っているし、おしゃれだと思う。
桁の違う投資で保全しようとしても絶対に上手くいかないので、行政は自らプレイヤーにならずに民間に任せながら、民間が活用しやすいステージを用意するだけでいいと思うのです。
補助金ではなく、建築的なクリア要件とか、活動しやすい環境の整備とか。
無駄な莫大な税金を使うのではなく、まちが保全でき、店舗が収益を挙げれば税金も入るし、店舗が人気なら人も集まる。
不動産オーナーにも損はない。
誰も損せず、win-winの関係をつくることが絶対に欠かせない。
こういったプレイヤーを増やすことが、今のまちづくりでは大切な視点なのだと思います。
だから私もそんなプレイヤーの一つになるべく頑張りたい。
そんなことを思いながら、妙高高原へ。
シフォンケーキも携えて(笑)
つなげあう高原の住まいへお邪魔してきました。
この住まいはリノベーション。
住まいのリノベーションは、店舗のようにはいかない。
しっかりと新築並みに継続していかなければならないので耐震補強をし、健康的に快適に暮らせるように断熱気密補強をしながら、暮らしの再編集を行なった住まい。
こういった仕事もとても楽しいのです。
床ワックスを年一回欠かさず行う住まいは、杉の床がとてもいい色づきに。
家を育ててくれている暮らしを見ると、本当に嬉しく思います。
テレビボードの扉をミナペルホネンの生地で張り替えて。
その仕事を見にいきながら、苦労した点や、次変えるにはこうしようと、いろいろとお話しし合いました。
冬の豪雪があるからこそ際立つのかもしれません。
しかし、今年の冬は上越市の方が状況はよくなかったようで。
道路の除雪対応、準備がやはり違うため、私の冬の状況をSNSで見ていて、「一度も車出せないなんてことはないよ」っておっしゃってました。
地域環境に順応すればなんてことはないのか…
そもそも民家はその地域の環境に順応してつくられていたはずです。
それが地域らしさや地域の風景でもあったはず。
暮らしの工房が大事にしたい部分の一つでもある。
リノベーションとは本来、そういったものの活用に役割があるのではないかと思う。
各地の成功例…(今回のセミナーでお話ししてくれた善光寺門前のリノベに携わっていた広瀬毅さんは「お店をやっている人たちは成功例だとは思っていない」と言っていたのが印象的。
それもそのはず。一人一人が事業を成り立たせようと必死で頑張っているのだから。)を見て、安易に観光産業と結びつけているところに、違和感が拭えない。
高田にもたくさんリノベーションで開業する人が増えてきた。
直江津にもずっと商売してきている人たちもいる。
みんなリスクを背負いながらも、その場所が最善であると判断して事業しているだけだと思う。
もちろん町家を、風景を残したいという想いも持ちながら、現在の価値観にフィットさせるように。
そういう人たちを結果的にやりづらくさせる行政の施策にならなければいいが…といらない危惧をしてみた週末でした。
私も工務店としてやるべき理想を追求しながら、クライアントだけでなく周りもよくなるようなことを提供していきたい。
by kurashi-no-kobo
| 2018-04-09 09:18
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